福利厚生についてのQ&A

福利厚生は社会保険だけではない?

福利厚生には社会保険だけでなくいろいろな保証があります


福利厚生と聞くと、社会保険や手当のことを連想するかもしれません。

しかし実際はそうした金銭面での補助のことだけでなく、働くこと全般に関係するサービスや制度の総省のことを指します。

福利というのはそもそも、幸福と利益を意味する言葉です。

また、厚生とは生活を豊かなものにするという意味があります。

福利厚生とはこうした目的に寄与する様々な企業の努力を指し、義務として定められているものから企業独自の福利厚生まで、幅広い種類があります。

こうした生活全般にわたる幸福を企業がサポートするという考え方は、一概に給与や手当だけにとどまらない様々なサービスへと発展しているのです。

就職や転職を考えている方は、企業がどのような福利厚生を保証しているかによって企業の特徴を知ることができます。

社会保険は国の補償制度です

社会保険とは福利厚生の中でもまず思い浮かぶほどメジャーなものでしょう。

毎月差し引かれている社会保険料の存在は知っているものの、具体的に何が含まれているのかをご存じない方は意外に多いようです。

そもそも社会保険とは、国で強制的に加入する保証制度のことを指します。

社会保険に加入していることによるメリットは大きく、様々なリスクに直面しても最低限の生活は保障されるようになっています。

自分の加入している社会保険の内容を十分に理解したうえで、さらに手厚くしたい保険内容などを民間の保険会社で加入するなどすれば、無駄なくメリットの大きい保険を組めることでしょう。

社会保険の内容として、覚えておきたいのは、健康保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険の5つの保険制度です。

それぞれ年齢や雇用体系に応じて加入するかしないかは変わってくることもありますが、社会保険に加入することによっていろいろなリスクに備えることがわかります。

こうした保険制度の中でも健康保険と介護保険は一定の割合を会社と個人で負担しあうことにより、自費分以上の手厚い保証が期待できます。

介護保険に関しては40歳以上の加入となりますが、将来のことも見据えた保険として重宝されています。

将来のことで自分では気づきにくい点も福利厚生としての社会保険制度があるからこそ注意が喚起され、生活が守られているともいえるでしょう。

雇い主と労働者両方のための制度です


雇用保険は失業したときに役立つ保険制度です。

本人負担よりも企業負担のほうが多く、失業時のライフラインとして役立つことでしょう。

また保険料の自己負担額に関しては、扶養家族の自己負担がありません。

つまり、扶養されている家族として夫が加入している社会保険を妻も利用することができるのです。

その中には健康保険、国民年金保険料が含まれます。

こうした保険制度について自分でいろいろと調べて加入する手間を取らずに加入できるのも福利厚生における社会保険のメリットと言えるかもしれません。

さらに福利厚生の中には「法定外福利費」というものが存在します。

これは、住宅手当、家賃補助、社員寮、育児休暇などの保証が含まれます。

また、社員旅行や出産祝い、忘年会なども福利厚生の一つとなります。

こうしたことを考えると、雇い主と労働者がお互いに気持ちよく働くために定められた制度ということがよりわかりやすく見えてくるのではないでしょうか。

福利厚生は多様化してきています

労働者にとっては給料から一部が天引きされるとはいえ、最低限の生活を保障されなおかつ保障内容は自己負担額相当を上回るものが期待できるため、福利厚生の充実はうれしいものです。

しかし、近年この福利厚生が企業にとって大きな負担となることもあるようです。

労働者の減少と高齢化が進んでいるためで、法定福利金に関しては法律で定められているもののため、削減対象にはできません。

そこで、近年の企業では、質を落とさずに本当に必要な福利厚生を従業員が自ら選べるような制度を導入しているところもあり、無駄な福利厚生費の支出を抑えようとする動きもあります。

福利厚生の制度は多様化する傾向にもあり、今後は従業員が選ぶことによって無駄なく組みことのできる保険制度が注目されているのです。

このように、福利厚生とは働きやすい企業であることを内外に示す働きもあり、実際に種々の社会保険などは生活を守る役目を果たします。

企業によってユニークな福利厚生を提案している場合もありますので、就職や転職を検討されている方はそうした情報も集めてみると企業についてもっと知ることができるでしょう。

(まとめ)福利厚生は社会保険だけではない?

1.福利厚生には社会保険だけでなくいろいろな保証があります

福利厚生とは、単に給与だけにとどまらず、従業員の生活をより幸福にするために企業が定める制度やサービスの総称を指します。

その中には社会保険をはじめ、様々なサービスが含まれます。

2.社会保険は国の補償制度です

福利厚生の中でもまっさきにイメージされるのが社会保険といえるかもしれません。

毎月の天引きによって存在は知っているというだけでなく、具体的に何が保証されているのかを知ることは大切です。

3.雇い主と労働者両方のための制度です

福利厚生の社会保険には様々なリスクに対応できるよう備えられています。

また、一時的な補助金などを通しても労働者にとって働きやすい環境を作る点で福利厚生は役立っています。

4.福利厚生は多様化してきています

福利厚生は働きやすい企業であることを示せる一方で、最近は労働者の減少などにより企業の負担が増している傾向にあります。

こうした状況下でも質を落とさないように、様々な企業努力がはらわれています。